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俊英女性監督マウゴシュカ・シュモフスカが第65回ベルリン国際映画祭で監督賞となる銀熊賞を受賞し、ポーランドのアカデミー賞と言われるイーグル賞で主要4部門を受賞し映画祭を席巻した『君はひとりじゃない』。銀熊賞は黒澤明監督(『隠し砦の三悪人』)、ロマン・ポランスキー監督(『ゴーストライター』)ら世界の名だたる監督が受賞を果たしている。その作品の評判はヨーロッパに留まらず、米批評サイト「ロッテン・トマト」でも88%の高評価を叩きだした超注目作!
マウゴシュカ・シュモフスカはポーランドで傑出した才能を持ち、高く評価を受けている監督だ。彼女はスイスのロカルノ国際映画祭で新人監督賞にあたる銀豹賞を受賞、ベルリン国際映画祭でLGBT作品に送られるテディ賞を受賞、さらにジュリエット・ビノシュを主演に迎えた『ジュリエット・ビノシュ in ラヴァーズ・ダイアリー』は40を超える国で買い付けがされた。シュモフスカ監督の作品が日本劇場公開されるのは本作が初。世界から注目を集める映画ファン必見の才能を見逃すな!
妻を失い感情が表に出なくなった父親、母親を亡くし父親と自分の身体を嫌う娘、人々を治療しながらもぽっかりと空いた心を持つセラピスト。最愛の人の「死」を経験する登場人物たちが紡ぐのは心と身体の関係性、そして目に見えるものと見えないものの関係性。シリアスになりがちなテーマをシュモフスカ監督が繊細に、ときにはユーモアを交えて描き出す。3人が迎える結末に“大切な人は身近にいる”と気づかせてくれると同時に温かな涙があなたの頬を伝う。
父親のヤヌシュ(ヤヌシュ・ガヨス)とその娘オルガ(ユスティナ・スワラ)は母親を亡くし、2人で暮らしている。検察官であるヤヌシュは妻の死後、事件現場で人の死体をみても何も感じなくなっていた。一方、オルガは心を閉ざし、摂食障害を患っていた。母親を失った今、ヤヌシュはそんな娘にどう接して良いか分からず2人の溝は深まっていた。
 日々痩せ細っていくオルガを見かねたヤヌシュは彼女を精神病院へ入院させる。そこでリハビリを担当しているのはセラピストのアンナ(マヤ・オスタシェフスカ)。思慮深いアンナは発声練習や感情を出させる練習を積極的に取り入れ、同じ病を患う女の子たちの治療にあたっていた。
 ヤヌシュは相変わらず凄惨な事件現場でも冷静に分析をする。女子トイレに新生児が産み捨てられた現場をみたすぐあとにも食事をとり、部下からも怪訝な目で見られてしまう。そんなヤヌシュは、オルガと対照的に太っていくのであった。
 とある集会で息子を亡くした女性が語る。「アンナを通して息子から10通の手紙を受け取っている。最初はこんなことが起きるとは信じられなかった。今は心が安らかになった。」
まわりの女性も一様にアンナに感謝している。アンナは霊と交信し、受けとったメッセージを残された人に伝えることを使命としていたのだ。
 しかし、アンナにも心にぽっかりと空いた大きな穴があった。息子を亡くしていたのだ。今、彼女を待っているのは大きな犬・フレデクとの暮らしだけ。気丈にふるまっているものの、やはり大きな喪失感を抱えて日々を暮らしていた。
 そんな中、ヤヌシュの家では不思議な出来事が起き始める。水が出しっぱなしになったり、部屋が極度に寒くなったり、かけてもいないのにレコードが鳴っていると隣人に苦情を言われたり…。それを聞いたアンナはヤヌシュとオルガに、母親の霊と交信し直接話すことを試みようと持ちかける。「妙な期待をさせないで欲しい。」一度は拒絶したヤヌシュだったが、ある晩、引き出しを開けるとそこには妻と自分しか知らないことが書かれた手紙が入っていた。信じられない出来事にアンナを訪ね交霊を依頼する。アンナとヤヌシュとオルガの3人は手と手を取り合って交霊を始める―。
1939年9月23日、ポーランド・ドンプロヴァ・グルニチャ生まれ。ポーランドの演劇界・映画界で最も優れた役者の一人。1965年にウッチ映画大学を卒業。在学中の1964年に映画デビュー。60年代にポーランドで最も人気があったTVシリーズ『四人の戦車兵と一匹の犬』で広く知られるようになる。その後、アンジェイ・ワイダ監督『鉄の男』(82)、リシャルト・ブガイスキ監督『尋問』(82)、ヴォイチェフ・マルチェフスキ監督『自由と呼ぶ映画館からの脱出』(90)、クシシュトフ・キェシロフスキ監督『トリコロール/白の愛』(94)等、多くの傑作映画に出演している。その功績として多数の賞を受賞し、2011年にはポーランドの大統領ブロニスワフ・コモロフスキから表彰を受けた。本作では、第18回イーグル賞主演男優賞を受賞している。
1972年9月3日生まれ、ポーランド・クラクフ生まれ。ポーランドの著名な映画・舞台女優。ポーランドが誇る演出家たちと仕事をし、クリストフ・ワリコフスキ率いる世界的に有名なNowy Teatr(新劇場)専属。アンジェイ・ワイダ監督『カティンの森』(07)で主役を演じた。ロマン・ポランスキー監督『戦場のピアニスト』(02)、マウゴジャタ・シュモフスカ監督の『In the Name Of(原題)』(13)等、多くの映画監督からオファーを受け、多数の受賞歴を持つ。本作で、第18回イーグル賞主演女優賞を受賞。最近は動物の権利のための活動も行っている。
1990年、ポーランド・ワルシャワ生まれ。シュモフスカ監督が本作のオルガ役を探していた時にFacebookでスワラを見つけたことにより出演が決まり、本作で女優デビューとなった。その後、『Kamper(原題)』(16)、短編ドラマ『Bo ladnie pachnie(原題)』(16)に出演している。
悲しみが支配した、曇天の晴れない世界。しかし、死を扱っているのにユーモアでみせる。 例えるなら、お葬式でおならをしてしまった人を見て、思わず笑ってしまうような。 人生の憂目は、いつもそうやって癒されてゆく。死者にとり残された私たちは、 この映画のラストに救われるだろう。生きて行くのに忘れられない映画になった。
行定勲
映画監督
ラストの親子の表情が素晴らしかった。 私達は、お互いを感じるという、シンプルな 事を難しく考えているだけなのかもしれない。
黒木華
女優
父と娘のまるで別人のような 晴れ晴れとした笑顔に、胸のつかえがスーッと! 思わず微笑んでいました!
草刈正雄
俳優
複雑な綻びが丁寧に解かれていく。 ああ、人間って、と苦しく愛おしく思う。 斬新で穏やかなラストシーンが衝撃的でした。
蓮佛美沙子
女優
重い、でも明るく美しい映像。 静か、でも熱を感じる。非現実、だけど現実。 相反するもの、その魅力が溢れる作品でした。
山賀琴子
女優
人は最愛の人を失うと悲しみの深みにはまってしまう。 しかし気付くと側には根気よくねばり強く 付き合ってくれている人がいる。
うつみ宮土理
タレント
ホッとさせるコトって何だろう!?自分で探さなきゃ。 逃げちゃダメなのよ。でも心身、弱っていると なかなか自分を操れないわね。何か『きっかけ』が必要なの。 でもきっと見つけられるわ。だってひとりじゃないんだから、、、
萬田久子
女優
ポーランド映画の固定観念を ぶっ壊すような、奇妙で独特の世界観。 どこを切り取っても新鮮で、 どハマりしました。
石川慶
映画監督
『君はひとり』という 並行世界に気づいた瞬間の衝撃。 絶対的孤独から自らを救おうと 彷徨うセラピストの力が人々に光をもたらす。
長谷川博一
臨床心理士 こころぎふ臨床心理センター 代表
僕がカウンセリングで伝えたい大切なことを“観”せてくれた作品
心屋仁之助
心理カウンセラー
独創性溢れる喪失と再生の物語。 シリアスな心理劇にもオカルト映画にもならず、 異次元のジャンルに変身する驚きのラストに拍手!
矢崎由紀子
映画評論家
とくに「私には生きる価値がない」と 思ってる人に見てほしい。 本作は“副作用のない抗うつ剤”だ!
香山リカ
精神科医
母を亡くした少女の苦悩。しかしその苦悩は 母なる「愛」を喪失した現代世界の苦悩の縮図でもある。 死者との交信を通して少女の再生を模索するセラピスト。 だがその試みは同時に現代を再生する試みでもあるのだ。
長田光展
日本グリーフ・ケア・センター代表
ユーモアがあって、静かで不思議であたたかい 雰囲気に引き込まれました。 普段、アメリカ映画ばかり 見ている人にも是非見てもらいたい映画です。
越智啓太
法政大学心理学科教授
喪失感と未練は生者も死者も同じ。 奇妙なユーモアを忍ばせた 現代の“復活”劇として、唯一無二の秀作だ。
北川れい子
映画評論家
生と死、虚無と現実の曖昧さが漂う、ある意味とても危険な映画。 なんだか私は死にたくなった。 でも、死ねない何かがある映画です。
坂本あゆみ
映画監督
描き切らないという繊細さ。 拒絶したくなるものに、 いつの間にか優しさを注げるようになっていく。
ナポ
お笑いタレント